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子供の教育は身の回りの大人から
教育とは、文字どおり人を教え育てることです。さまざまな教えを受け、自らの成長へとつなげていくことは、とても大切なことです。これは何も子供に限ったことではなく、大人にとっても同様であるといえますが、やはり小さな子供にとって、その重要性はより高いものとなります。現代の日本社会において、子供の教育の場としてまず挙げられるのが学校です。ほかには、塾や習い事が頭に浮かぶ人も多いでしょう。その役割として、学校では集団生活でのルールや基礎的な学問を教えることで、子供たちの心身の成長を促します。そして、塾や習い事は、学校での学びを補ったり、または、学校では教えてもらえない専門的な事柄を鍛錬する場所です。しかし、子供にとって、最も大切な教育の場は家庭や地域であるということが、ともすれば忘れられがちです。
生まれてきた多くの子供たちにとって、家庭そして周囲の人間がまず最初にそこから学びを得る対象となります。私たちは、そのことを必ず自覚しなければなりません。大人の中には、自らが子供たちの手本となろうなとどはまったく考えない人がいます。それどころか、自分の子供に対しても、しつけを始めとする教えをまったく与えることがない場合さえ少なくありません。「学校でしつけ、塾で勉強」という言葉を聞いたことがありますが、これは明らかに誤った考え方です。子供というものは、まず親や周囲の大人たちによって、学校という集団にふさわしい人間として育てられなければなりません。それがなされずに、ことあるごとに学校に責任を押し付ける現在の風潮には危機感を感じます。